当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。
『料亭の女将って、旅館の女将と何が違うんだろう?』と気になっている方も多いはずです。どちらも和の空間でお客様を迎えるので、似た仕事に見えますよね。
結論から言うと、料亭の女将は「泊まらないお客様の会食の時間」を取りしきる女主人です。旅館の女将との一番の違いは、お客様と過ごす時間の長さと、座敷の使われ方にあります。
この記事を読むと、料亭とは・割烹とはどんなお店か、料亭の女将の一晩の仕事、旅館の女将との違いが分かります。
料亭とは?割烹とは?まずお店の意味から
辞書では、料亭は「主として日本料理を出す高級な料理屋」です。割烹は「食物を調理すること」、または割烹店のことを指します。
料亭の女将を知るには、先に料亭そのものを知っておくと分かりやすいんです。『料亭と割烹って、同じ意味じゃないの?』と思う方もいますよね。
実は、辞書の説明を見ると、2つの言葉は出発点が少し違います。料亭はお店の種類を指す言葉で、割烹はもともと「調理すること」を指す言葉です。
| 言葉 | 辞書の説明(要約) | ふだんの使われ方 |
|---|---|---|
| 料亭 | 主として日本料理を出す高級な料理屋(デジタル大辞泉) | 座敷で会食をするお店を思い浮かべる人が多い |
| 割烹 | 肉を割き、煮ることから、食物を調理すること。また「割烹店」のこと(デジタル大辞泉) | 店名に添えて、日本料理のお店であることを示す |
| 小料理屋 | 簡単な料理と酒とを供する和風の飲食店(精選版 日本国語大辞典) | カウンター中心の小さなお店 |
割烹という言葉は、割烹着の「割烹」と同じなんです。調理という意味から、料理を出すお店の呼び名にも広がっていったと読めます。
辞書に出てくる「女将」の居場所
女将の意味を辞書で引くと、デジタル大辞泉の「にょしょう」の項には「料亭・旅館などの女主人」と書かれています。精選版 日本国語大辞典では「料理屋・旅館・待合など客商売の家の女主人」です。
つまり料亭の女将は、辞書の上でも女将の代表的な姿の一つなんですね。女将という言葉そのものの意味は、女将とは?意味と読み方で詳しく紹介しています。
料亭・割烹・旅館、女将の立ち位置を3つの物差しで比べる
料亭・割烹・旅館は、どれも女将がいることのあるお店です。ただ、お客様がいる時間と場所が違うので、女将が気を配るところも変わってきます。
ここが一番知りたいところですよね。この記事では、「お店の形」「女将の仕事」「お客様との関わり方」の3つの物差しで並べてみました。
| 物差し | 料亭 | 割烹 | 旅館 |
|---|---|---|---|
| お店の形 | 座敷で日本料理の会食をする | カウンターや小上がりで料理を出すお店が多い | 客室に泊まり、食事も宿でとる |
| 女将の仕事 | 座敷ごとのご挨拶、席の進み具合の見守り、仲居への指示 | 店主と並んで接客し、お酒や料理の案内もする | 到着からお見送りまでの接客と、宿全体のまとめ役 |
| お客様との関わり方 | 会食の数時間に、要所だけ顔を出す | 目の前で会話しながら過ごす | 夕方から翌朝まで、何度か場面ごとに関わる |

もちろん、これは一般的な傾向です。カウンターのある料亭もあれば、座敷中心の割烹もあります。
お店の方針によって女将の動きは違うので、「だいたいこういう違いがある」くらいでとらえてみてください。
「お客様が泊まらない」ことで変わること
旅館の女将は、到着からお見送りまで、お客様と長い時間を過ごします。一方で料亭は、会食が終われば、お客様はお帰りになります。
限られた時間の中で、会食の目的に合った空気をつくる。料亭の女将の腕の見せどころはここなんです。
「割烹の女将」という言い方は、辞書には語として載っていません。割烹は料理屋の一つなので、辞書の「料理屋の女主人」に含まれると考えておけば十分です。
料亭の女将の仕事は?一晩の流れで見てみる
料亭の女将の仕事は、予約を受けた時から始まっています。座敷を整え、ご挨拶に回り、会食がなめらかに進むよう目を配ります。
『女将さんって、座敷でご挨拶するだけじゃないの?』と思う方もいるかもしれません。実は、お客様の目に見えない準備のほうがずっと長いんです。
- 予約の内容から、会食の目的と人数、お祝いの有無を確かめる
- 座敷の床の間に掛け軸と花を整え、席の並びを決める
- 仲居と板場に、その日のお客様の情報と段取りを伝える
- お客様をお迎えし、座敷ごとにご挨拶に回る
- 料理の進み具合を見て、仲居に指示を出す
- 会食の終わりにお礼を伝え、玄関でお見送りする

辞書では、仲居は「旅館や料亭などで客の接待をする女性」とされています。料亭の座敷で料理を運ぶのは主に仲居で、女将はその全体を見る立場になるのが一般的です。
座敷の席次も女将が気を配るところ
会食では、誰がどこに座るかも大事ですよね。百科事典では、床の間がある座敷ではその前が上座で、入口に近いほうが下座とされています。
お祝いの席なのか、商談の席なのか。目的によって席の決め方も変わるので、予約の時に聞いておくのが女将の大事な仕事なんです。
座敷でのご挨拶の例
ご挨拶は短く、会食のじゃまをしないのが基本です。例えばこんなやり取りになります。
「本日はお越しいただき、ありがとうございます。女将の〇〇でございます。どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ」
「ありがとう。今日は△△のお祝いなんです」
「それはおめでとうございます。板場にも伝えておきますね」
お客様が帰ったあとにも仕事がある
会食が終わったあとも、女将の一日は続きます。座敷の片付けを見届け、翌日以降の予約を確かめ、仕入れや人の配置を板場と相談します。
常連のお客様の好みや、前回の会食で話に出たことを覚えておくのも大事な仕事です。『前にお好きだとおっしゃっていたお酒、ご用意しておきました』と言えると、お客様の顔がふっとゆるむものなんです。
| 時間帯 | 表で見える仕事 | 裏で続く仕事 |
|---|---|---|
| 会食の前 | 座敷の花と掛け軸を整える | 予約の確認、仲居と板場への段取りの共有 |
| 会食の最中 | 座敷ごとのご挨拶、お酌 | 料理の出し方の調整、次の座敷の準備 |
| 会食のあと | 玄関でのお見送り | 片付けの確認、常連のお客様の好みの記録 |
旅館の女将がお客様の情報をどう覚えているかは、女将はお客様をどう覚えている?でも紹介しています。
旅館の女将の仕事内容と比べたい方は、女将の仕事内容も読んでみてください。
料亭の女将の装いと座敷のしつらえ
料亭の女将は着物で座敷に出ることが多く、床の間の花や掛け軸も季節に合わせて整えます。どの着物を選ぶかに決まりはなく、お店の方針と会食の改まり具合で選びます。
『料亭の女将は、いつも訪問着を着ているの?』と気になる方もいますよね。女将が仕事で着る着物の種類を定めた決まりは、辞書にも公的な資料にも見当たりません。
辞書では、訪問着は「社交・訪問などに用いる」着物、小紋は「普段着、洒落着から茶会などのセミフォーマルな場にも用いられ」るものと説明されています。会食の改まり具合と、お店の雰囲気に合うものを選ぶのが一般的です。
- 座敷の雰囲気と、その日の会食の改まり具合に合っているか
- 正座やお酌の時に、袖や裾が料理に触れにくいか
- 床の間の花や器と、色がぶつかりすぎていないか
- 長い時間動いても、着崩れしにくく着付けてあるか
着物の種類と選び方は女将の着物で、作務衣や洋装との使い分けは女将の服装で紹介しています。
床の間としつらえ
床の間は、辞書では「座敷の床を一段高くし、掛け軸・置物・花などを飾る所」です。しつらいは「調度、施設などを設え整えること」を指します。
座敷の花や掛け軸を選ぶのも、料亭の女将の仕事の一つになることがあります。季節の花を一輪変えるだけでも、座敷の印象はがらりと変わるものなんです。
料亭や割烹についてよくある相談
料亭や割烹は、慣れない人にとって身構えてしまうお店ですよね。ただ、お店の側はお客様が気持ちよく過ごせるよう準備しています。分からないことは聞いて大丈夫です。
ここでは、Yahoo!知恵袋で多く見られている相談から、料亭の女将の仕事と関係が深いものを選んで、要点だけまとめました。
個室なのに、何度も様子を見に来られて落ち着かない
料亭のような個室で、お皿を下げに来たり、追加の注文を聞きに来たりが続いて落ち着かなかった、という相談です。そう感じるのは自然なことですよね。
お店の側は、料理を出す間合いを見るために様子をうかがっています。
ゆっくり話したい時は、最初に「今日は話が長くなりそうなので、ゆっくりめでお願いします」と一言伝えてみてください。女将や仲居はその合図を受けて、顔を出す回数を調整してくれるはずです。
高級な割烹で、お酒を頼まないのは失礼?
夜の割烹でお酒を何も頼まないのはマナー違反か、という相談もあります。結論から言うと、お酒が飲めない・飲まない人がいるのは当たり前のことです。
気になる時は「今日はお酒は控えているので、お茶をお願いします」と伝えれば十分です。料理に合う飲み物を聞いてみるのもいいですね。
料亭でのお見合い、どう振る舞えばいい?
料亭でお見合いをすることになり、立ち振る舞いが不安だという相談です。『作法を間違えたらどうしよう…』と緊張しますよね。
まずは、案内された席に座り、敷居を踏まないように座敷へ入るくらいで十分です。小笠原流礼法の解説では、敷居を踏まないのは、柱とつながる家の大事な部分だからとされています。
- 「初めてなので、分からないことを聞いてもいいですか」
- 「苦手な食材があるのですが、相談できますか」
- 「そろそろお開きにしたいので、お会計をお願いします」
料亭の女将の世界に興味が出たら
料亭の女将は、家業としてお店を継ぐ人もいれば、仲居として経験を積んでいく人もいます。どの道が正しいということはありません。
料亭の女将の話を読んで、『和の接客の仕事をしてみたい』と感じた方もいるかもしれません。料亭で働く道のほかに、旅館の仲居やフロントから始める道もあります。
旅館の女将については旅館に女将がいるのはなぜ?で、女将という仕事が続いてきた背景を紹介しています。まず旅館で働いてみたくなった時は、宿泊業界の求人を扱う相談先を使ってみるのも一つの方法です。
おもてなしHR(PR)
旅館・ホテルの仕事を探すなら、宿泊業界専門の転職支援に相談
おもてなしHRは、ホテル・旅館などの宿泊業界の求人専門の転職支援サービスです。専任のキャリアアドバイザーが、経験の有無や希望職種を問わず、書類作成や面接の日程調整、条件面の相談まで無料でサポートします。
無料おもてなしHRの公式サイトを見るサービスの内容は公式サイトでご確認ください。
ハローワークや宿の公式サイトの募集から探す方法もあります。自分に合う探し方を選んでみてください。
よくある質問
料亭の女将と旅館の女将の一番の違いは何ですか?
お客様と過ごす時間の長さです。料亭は会食の数時間、旅館は到着から翌朝のお見送りまでお客様と関わります。そのため料亭の女将は、限られた時間で座敷の空気をつくることに力を注ぎます。
料亭とは、どんなお店のことですか?
辞書では「主として日本料理を出す高級な料理屋」とされています。座敷で会食をするお店を思い浮かべる人が多いですが、店の造りはお店ごとに違います。
割烹とは、料亭とどう違うのですか?
割烹は、もともと「食物を調理すること」を指す言葉で、割烹店の意味でも使われます。カウンターで料理を出すお店が多い傾向がありますが、座敷のある割烹もあり、はっきりした線引きはありません。
料亭の女将は、どうやってなる人が多いのですか?
家業のお店を継ぐ形や、仲居として経験を積んで任される形など、いくつかの道があります。決まった資格や順番があるわけではないので、お店の方針によって違います。
女将が料亭の座敷に来た時、どう返せばいいですか?
「ありがとうございます、楽しませてもらっています」と短く返せば十分です。お祝いの席なら、そのことを伝えると、女将が気を配ってくれることもあります。
まとめ
- 料亭の女将は、日本料理を出す料理屋の女主人として会食を取りしきる人
- 料亭とは主として日本料理を出す高級な料理屋、割烹とは調理のことや割烹店のこと
- 旅館の女将との違いは、お客様と過ごす時間の長さと座敷の使われ方
- 予約の確認から席次、仲居への指示、ご挨拶、お見送りまでが一晩の流れ
- 着物の種類に決まりはなく、座敷の改まり具合とお店の方針で選ぶ





コメント