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帳場で電話が鳴ると、『うまく受け答えできるかな』と少し身構えてしまいますよね。顔が見えない分、対面の接客より緊張するという方も多いはずです。
結論から言うと、旅館の電話対応は「名乗る・聞き取る・復唱する・確認する・結ぶ」の5つの流れを決めておけば、ほとんどの予約電話を落ち着いて受けられます。
この記事を読むと、予約電話の受け方の順番と、そのまま使える例文、聞き取りメモの作り方が分かります。
旅館の電話対応で、まず大事にしたいことは?
電話は、お客様が宿に初めて触れる場面になることもあります。声の明るさと、聞いた内容を間違えないことの2つを大事にすれば、まず十分です。
旅館の電話は、予約の受付だけでなく、道順や送迎、食事のご相談などさまざまです。帳場にいる女将や予約係、フロントの担当が受けるのが一般的ですが、誰が出るかは宿によって違います。
『女将が出ないと失礼になる?』と心配する方もいるかもしれません。実は、誰が出ても宿の顔としてお話しする、という気持ちがあれば大丈夫なんです。
対面と電話では、伝わり方が少し違います。違いを知っておくと、どこに気をつければいいかが見えてきますよ。
| 比べるところ | 対面の接客 | 電話の応対 |
|---|---|---|
| 伝わるもの | 表情、しぐさ、声 | 声の調子と言葉だけ |
| 間違いやすいこと | 少ない(その場で見せられる) | 日付や人数の聞き違い |
| 気をつけたいこと | 立ち姿、目線 | 話す速さ、語尾まではっきり |
| 待たせる時 | 様子が見えるので安心される | 無言が続くと不安になる |
帳場の仕事の中での電話の位置づけは、女将とは?旅館で女将が担う役割もあわせて見てみてください。
笑顔で話すと、声がやわらかくなる
電話では顔が見えません。ただ、口角を少し上げて話すだけで、声の響きが明るくなるんです。
帳場に小さな鏡を置いて、電話の前に一度だけ表情を確かめる、という工夫をしている宿もあります。
予約電話の受け方は「名乗る・聞き取る・復唱する・確認する・結ぶ」の5ステップ
予約電話は、順番さえ決まっていれば慌てずに受けられます。それぞれのステップで言う言葉を、あらかじめ1つずつ決めておきましょう。

- 名乗る:宿の名前と自分の名前を伝える
- 聞き取る:日付、人数、お名前、ご連絡先を伺う
- 復唱する:聞いた内容を区切って読み上げる
- 確認する:到着の時刻やお食事、ご要望を確かめる
- 結ぶ:お礼と、お待ちしている気持ちを伝えて切る
1. 名乗る
最初のひと言は、宿の名前をはっきり伝えます。お客様は『ちゃんと目当ての宿にかかったかな』と気にしているんです。
「お電話ありがとうございます。〇〇旅館でございます」
予約の電話だと分かったら、「ご予約のお電話ですね。担当の△△が承ります」と自分の名前も添えると、お客様が安心されますよ。
2. 聞き取る
聞き取る順番は、宿で決めておくと迷いません。まず日付と人数を伺うと、空き状況をすぐに調べられます。
「ご宿泊の日にちと、ご人数をお聞かせいただけますか」
空きが分かったら、お名前とご連絡先を伺います。お名前の漢字は「どのような字をお書きしますか」と尋ねると、聞き違いを防げます。
3. 復唱する
聞いた内容は、最後にまとめて読み上げます。日付は曜日を添えて伝えると、お客様も間違いに気づきやすくなるんです。
「それでは確認いたします。〇月〇日、〇曜日から1泊、大人お二人様、〇〇様でお間違いございませんか」
4. 確認する
到着のご予定や、お食事のことを確かめます。苦手な食材のご相談がある時は、ここで伺っておくと調理場に伝えやすくなります。
「当日は、何時ごろのご到着になりそうでしょうか」
「お食事で、召し上がれないものはございますか」
チェックインの時刻は、宿ごとに決めています。観光庁のモデル宿泊約款でも、客室を使える時間は各施設が定める形になっているので、自分の宿の時刻を正しく伝えましょう。
5. 結ぶ
最後は、お礼とお待ちしている気持ちを伝えます。電話はお客様が切るのを待ってから、静かに受話器を置くのが一般的です。
「ご予約ありがとうございます。〇〇様のお越しを、心よりお待ちしております」
聞き取りメモは、どんな項目を用意しておけばいい?
電話を受けながら項目を考えると、聞き漏れが起きやすくなります。帳場の電話の横に、聞き取り用のメモ欄を用意しておくと安心です。
『何を聞けばよかったか、電話を切ってから気づく』という経験は、誰にでもあります。メモ欄を表にしておくと、上から順に埋めるだけで済むんです。
下の表は、予約電話の聞き取りメモの一例です。宿の決まりに合わせて、行を足したり減らしたりしてみてください。
| メモ欄 | 聞く時の例文 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| ご宿泊日 | 「ご宿泊の日にちをお聞かせいただけますか」 | 曜日と泊数も書く |
| ご人数 | 「大人の方とお子様は何名様でしょうか」 | 大人と子どもを分ける |
| お名前 | 「お名前の漢字を伺ってもよろしいですか」 | 読みをカタカナで添える |
| ご連絡先 | 「当日つながりやすいお電話番号はどちらでしょうか」 | 当日の連絡先を優先する |
| 到着の予定 | 「何時ごろお着きになりそうでしょうか」 | 電車か車かもメモする |
| お食事 | 「召し上がれないものはございますか」 | 調理場に回す欄を分ける |
| ご要望 | 「ほかに何かご希望はございますか」 | 記念日などもここに書く |
| 受けた人 | なし | 自分の名前と受けた日時を書く |

モデル宿泊約款では、宿泊の当日にお名前や住所、連絡先などを登録する決まりも示されています。電話で伺った内容は、到着した時の受付でも使うので、読みやすい字で残しておきましょう。
- 日付と曜日がそろっているか
- 大人と子どもの人数を分けて書いたか
- 当日の連絡先を伺ったか
- 食事のご相談を調理場に伝える欄に書いたか
- 受けた人の名前を書いたか
お客様のご要望をその後どう生かすかは、女将はお客様をどう覚えている?で紹介しています。
満室・料金・キャンセルの電話、どう答える?
予約の電話では、ご希望に応えられないこともあります。断るだけで終わらせず、代わりにできることをひと言添えると、お客様の受け取り方が変わります。
旅館の予約電話には、空室のお問い合わせだけでなく、料金や変更、キャンセルのお電話もかかってきます。場面ごとに言い方を決めておくと、慌てずに済みますよ。
| かかってきた電話 | 応え方の例 |
|---|---|
| 希望の日が満室 | 「申し訳ございません、その日は満室をいただいております。翌週の同じ曜日でしたら空きがございますが、いかがでしょうか」 |
| 料金を知りたい | 「お部屋とお食事の内容で変わりますので、ご希望を伺ってからご案内してもよろしいですか」 |
| 予約の日を変えたい | 「日にちの変更でございますね。今のご予約のお名前と日にちから伺います」 |
| キャンセルしたい | 「承知いたしました。お手続きのため、ご予約のお名前を伺えますか」 |
| 道順を知りたい | 「お車でお越しでしょうか、電車でお越しでしょうか」と先に手段を伺う |
キャンセルの決まりは宿ごとに違います。料金がかかるかどうかを聞かれたら、宿で決めた内容をそのままお伝えしましょう。
空き状況を調べる間、無言のまま待たせてしまうことがあります。「お調べいたしますので、少しお時間をいただけますか」とひと言伝えてから保留にすると、お客様は安心して待てます。
お詫びの電話がかかってきた時
宿への不満やお叱りの電話を受けることもあります。その時は、まずお話を最後まで伺うことが大切です。
「ご不快な思いをおかけしまして、申し訳ございません。詳しくお聞かせいただけますか」
自分で判断できない内容は、「女将に申し伝え、こちらから折り返しご連絡いたします」と伝えます。お詫びの流れは旅館のクレーム対応で詳しく見られます。
女将や帳場が電話で気をつけている、取り次ぎと伝言
取り次ぎや伝言は、受けた人だけで終わらせないことが大事です。誰に、何を、いつまでに伝えるかを書き残すと、宿の中で情報が途切れません。
『女将さんはいますか』という電話は、旅館ではよくかかってきます。女将が接客中の時の言い方を決めておくと、慌てずに済むんです。
| 場面 | 言い方の例 |
|---|---|
| 女将がすぐ出られる | 「女将に代わります。そのままお待ちくださいませ」 |
| 女将が接客中 | 「ただいま女将はお客様のお相手をしております。終わりしだい、こちらからお電話を差し上げてもよろしいですか」 |
| 用件を伺っておく | 「よろしければ、ご用件を承って女将に申し伝えます」 |
| 伝言を受けた | 「〇〇様からのお電話、確かに女将に伝えます。わたくし△△が承りました」 |
宿の中で女将のことを話す時は、身内なので「様」や「さん」をつけないのが一般的です。お客様からは「女将さん」と呼ばれても、こちらは「女将」とお答えします。
相手のお名前とご連絡先、用件、折り返しが必要かどうか、受けた時刻と受けた人の名前を書きます。帳場の決まった場所に置いておくと、手が空いた人がすぐ気づけますよ。
例えば、夕食の配膳で手が離せない時間に電話が重なることもあります。そんな時のために、電話に出る順番を決めておく宿も多いです。
電話の受け方を覚えるうちに、帳場やフロントの仕事に興味がわいてきた方もいるかもしれません。旅館やホテルで働くことを考えた時は、宿泊業界の仕事探しの相談先を使う方法もあります。
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旅館の予約電話のよくある相談
旅館に電話をかけるお客様の側からも、さまざまな相談が寄せられています。受ける側が知っておくと、お客様の気持ちに寄り添いやすくなりますよ。
夜遅くに宿へ電話をかけるのは失礼?
家族が夜遅い時間に旅館へ問い合わせの電話をしたけれど、常識の範囲だったのか気になる、という相談がよく読まれています。
旅館は夜も帳場に人がいることが多いものの、何時まで電話を受けるかは宿によって違います。受ける側としては、遅い時間の電話にも「お電話ありがとうございます」と変わらずに出られると、お客様はほっとされます。
かける側への答えとしては、急ぎでなければ日中の落ち着いた時間が安心です。
予約できているか、電話で確かめてもいい?
ネットで予約したものの、確認の連絡が来ず心配で、宿に電話して確かめてもいいのか迷っている相談もあります。
結論から言うと、まったく問題ありません。受ける側は、お名前と宿泊日を伺って予約の有無を調べ、「確かに承っております」と伝えれば十分です。
『こんなことで電話して迷惑かな』と思っているお客様も多いので、明るく応えたいところですね。
料金が合わなかった時、どう言って電話を切ればいい?
電話で料金を聞いて予算に合わなかった時や、空室がなかった時に、何と言って切ればいいか分からない、という相談もあります。
お客様の側は「今回は見送らせていただきます。ありがとうございました」と伝えれば、失礼にはなりません。受ける側も「またの機会がございましたら、ぜひお声がけください」と気持ちよく結びたいところです。
電話の受け答えでモヤっとした、という声
宿に電話した時の受け答えが素っ気なく感じて、宿泊を迷っている、という相談も見かけます。
声だけのやりとりでは、少しの言葉の足りなさが大きく伝わってしまうんです。忙しい時ほど、「お電話ありがとうございます」と「お待ちしております」の2つだけは、ていねいに言うと決めておくといいですよ。
対面の挨拶の言葉は女将の挨拶、敬語の言い換えは女将の言葉遣いも参考にしてみてください。
よくある質問
旅館の電話対応は、女将がするものですか?
宿によって違います。家族で営む小さな宿では女将が受けることも多く、従業員の多い宿では帳場や予約係、フロントの担当が受けるのが一般的です。
旅館の予約電話で、最初に聞くことは何ですか?
宿泊の日にちと人数を先に伺うと、すぐに空き状況を調べられます。お名前やご連絡先は、空きが分かってから伺うと流れがスムーズです。
電話を保留にする時は、何と言えばいいですか?
「お調べいたしますので、少しお時間をいただけますか」と伝えてから保留にします。長くかかりそうな時は、折り返しのお電話を提案すると、お客様を待たせずに済みます。
予約の電話で、聞き違いを防ぐコツはありますか?
日付には曜日を添えて復唱し、お名前は漢字の書き方まで伺うと聞き違いが減ります。聞き取りメモの欄を先に作っておくのも役に立ちます。
まとめ
- 旅館の電話対応は、声の明るさと聞き違いをしないことの2つが大事
- 予約電話は名乗る・聞き取る・復唱する・確認する・結ぶの5ステップで受ける
- 聞き取りメモ欄を先に作り、上から順に埋めていくと聞き漏れが防げる
- 満室や料金の電話では、断るだけでなく代わりの案を添える
- 取り次ぎや伝言は、誰に何をいつまでに伝えるかを書き残す





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