旅館の女将の挨拶|お客様への挨拶の言葉と場面別の例文

旅館の女将の挨拶を紹介する記事のアイキャッチ。玄関でお客様を迎える着物姿の後ろ姿

当サイトの記事は編集部が公的機関の情報や辞書、公表されている統計などの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に転職支援サービスへの案内(広告)を含みます。

女将としてお客様の前に立つ時、『最初のひと言、何て言えばいいんだろう』と緊張しますよね。若女将になったばかりの方や、旅館で働き始めた方なら、なおさらです。

結論から言うと、旅館の女将の挨拶は「歓迎・感謝・気遣い」の3つを短く伝えれば十分です。上手な言い回しより、場面に合った長さで、相手の様子を見て話すことが大切なんです。

この記事を読むと、5つの場面ごとにそのまま使える女将の挨拶の例文と、言葉の選び方のコツが分かります。

目次

旅館の女将の挨拶は「短く、場面に合わせて」が基本

先に結論

女将の挨拶は、歓迎・感謝・気遣いの3つの要素でできています。この3つを場面に合わせて組み合わせれば、毎回同じ言葉にならず、自然な挨拶になります。

『女将の挨拶って、決まった口上があるの?』と思う方も多いはずです。実は、決まった型があるわけではありません。宿の雰囲気や、お客様との距離感で言葉は変わります。

ただ、挨拶の中身を分けてみると、どの場面でも3つの要素の組み合わせになっているんです。

要素伝えること言葉の例
歓迎来てくれたことを喜ぶ「ようこそお越しくださいました」「お待ち申し上げておりました」
感謝宿を選んでくれたことへのお礼「数ある宿の中から、ありがとうございます」「ご利用いただきありがとうございます」
気遣いお客様の体や状況を思いやる「お疲れではございませんか」「どうぞおくつろぎくださいませ」
女将の挨拶を歓迎・感謝・気遣いの3つの要素に分け、場面ごとに組み合わせることを示した図解

例えば、お出迎えなら「歓迎」が中心、お見送りなら「感謝」が中心、という具合に、どれを前に出すかを場面で変えていきます。

名乗りはどこで入れる?

女将の挨拶では、最初に顔を合わせた場面で一度名乗るのが一般的です。「女将の〇〇でございます」と、短く添えるだけで十分ですよ。

二度目以降の挨拶では、名乗りを省いてもかまいません。夕食時に改めて伺う場合は「先ほどは失礼いたしました」のように、前の場面とつなげると自然です。

女将という立場そのものは、女将とは?で紹介しています。

場面別・女将の挨拶の例文(短い挨拶と少し長い挨拶)

ここが一番知りたいところですよね。お客様が宿に着いてから帰るまで、女将が挨拶する場面は大きく5つあります。

この見出しのポイント

場面ごとに「短い挨拶」と「少し長い挨拶」の2つを用意しておくと便利です。お客様が急いでいる時や疲れている時は短く、ゆっくり話せそうな時は少し長く、と使い分けます。

女将が挨拶する5つの場面を、お出迎え・客室・夕食時・お見送り・再訪のお客様の順に示した図解
場面短い挨拶少し長い挨拶
お出迎え「ようこそお越しくださいました」「遠いところをようこそお越しくださいました。女将の〇〇でございます。お部屋へご案内いたしますので、どうぞお上がりくださいませ」
客室でのご挨拶「どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ」「本日はお泊まりいただき、ありがとうございます。何かございましたら、お気軽にお申し付けくださいね」
夕食時「お食事の途中に失礼いたします」「お食事中に失礼いたします。今夜は旬の山菜をお出ししております。お口に合いますとうれしいです」
お見送り「ありがとうございました。お気をつけて」「このたびはありがとうございました。またお近くにお越しの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。道中お気をつけて」
再訪のお客様「おかえりなさいませ」「またお越しいただけて、本当にうれしいです。前回は紅葉の頃でしたね。今回もどうぞゆっくりなさってください」

この表の言葉は、そのまま使っても、宿の雰囲気に合わせて言い換えてもかまいません。

お出迎えの挨拶

お出迎えは、お客様が宿の印象を決める最初の場面です。長旅のあとなので、まずは歓迎の気持ちと、休んでもらう気遣いを伝えます。

「お待ち申し上げておりました。外は冷えましたでしょう」
「ええ、駅からの道が思ったより寒くて」
「どうぞ中で温まってくださいね。お部屋にお茶をご用意しております」

お出迎えの立ち位置や作法は、旅館のお出迎えとお見送りで詳しく紹介しています。

客室でのご挨拶

客室に伺う時は、襖や戸の外で声をかけてから入ります。いきなり入ると、お客様を驚かせてしまうからです。

客室でご挨拶する時の流れの例
  1. 戸の外で「失礼いたします」と声をかける
  2. 返事を待ってから、戸を開けて入る
  3. 座って礼をし、歓迎と感謝を伝える
  4. 夕食の時間やお風呂の案内など、必要なことだけ伝える
  5. 「ごゆっくりどうぞ」と添えて下がる
女将が客室の入口で声をかけてからご挨拶に入る場面をイメージした写真

お客様がくつろいでいる時間なので、長居は禁物です。伝えることを先に決めてから伺うと、短くまとまります。

夕食時の挨拶

夕食の時間のご挨拶は、お料理の感想をうかがったり、翌朝の予定を確かめたりする場面です。食事の手を止めさせないよう、ひと言ふた言で下がるのが基本ですね。

夕食時に使えるひと言

「どうぞ、お箸はそのままで」「お飲み物のおかわりはいかがですか」「明朝のお食事は、何時ごろがよろしいでしょうか」

お見送りの挨拶

お見送りでは、感謝の気持ちを中心に伝えます。帰り道の天気や交通に触れると、気遣いが伝わりやすくなります。

「お世話になりました。また来ますね」
「ありがとうございます。お待ちしております。午後から雨になるそうですので、どうぞお気をつけて」

再訪のお客様への挨拶

二度目、三度目のお客様には、「おかえりなさいませ」と迎える宿もあります。前に泊まった時のことを覚えていると伝わると、お客様はうれしいものです。

ただ、お連れの方がいる時は、前回の同行者の話題に触れないよう気をつけましょう。誰と来たかは、お客様が自分から話すまで待つのが安心です。

若女将や仲居が、女将に代わって挨拶する時

女将が別のお客様の対応をしていて、若女将や仲居が代わりに挨拶することもあります。そんな時は、自分の立場をひと言添えると、お客様も安心できます。

代わりに挨拶する時の例

「若女将の〇〇でございます。女将がただいま別のお部屋に伺っておりまして、代わりにご挨拶にまいりました。のちほど女将からもご挨拶させていただきます」

『女将じゃなくて、がっかりされないかな』と心配になるかもしれません。でも、きちんと名乗って丁寧に伝えれば、お客様にはちゃんと歓迎の気持ちが届きますよ。

お客様が急いでいる時のお見送り

出発の時間が迫っているお客様には、お見送りの挨拶も短くします。「お気をつけて行ってらっしゃいませ」のひと言と、お辞儀だけで十分です。

お車まで荷物を運ぶ時は、歩きながら「お忘れ物はございませんか」と確かめるなど、動きと言葉を合わせると無駄がありません。

女将の挨拶の言葉を選ぶ時のポイント

『丁寧すぎると堅苦しいし、くだけすぎると失礼かも』と、言葉の加減に迷いますよね。ここでは、女将の挨拶でよく使う言葉の選び方を見ていきます。

この見出しのポイント

女将の挨拶は、丁寧な言葉の中に、ほんの少しやわらかさを混ぜるくらいがちょうどいいです。「〜でございます」と「〜ですね」を場面で使い分けてみてください。

堅すぎる言い方と、やわらかい言い方

お客様にほっとしてもらえる言い方
  • 「どうぞおくつろぎくださいね」
  • 「お疲れではございませんか」
  • 「何かあれば、お気軽にお声がけください」
堅すぎたり、距離を感じさせたりする言い方
  • 「ご用件はフロントまでお申し出ください」
  • 「ご不明点はお問い合わせください」
  • 「注意事項をお伝えいたします」

右側の言い方も間違いではありません。ただ、挨拶の場面では、案内文のような言い方より、話しかける言葉のほうが温かく伝わります。

敬語やクッション言葉の使い方は、女将の言葉遣いで例文と一緒に紹介しています。

挨拶とお辞儀を合わせる

挨拶の言葉は、お辞儀と一緒に伝わります。ビジネスマナーの研修資料では、会釈は15度程度、敬礼は30度程度、最敬礼は45度程度のお辞儀とされています。

お出迎えやお見送りでは、言葉を言い終えてから頭を下げるようにすると、声が床に向かわず、はっきり伝わります。客室の中では、座ったまま行う座礼になります。

挨拶の前に確かめておきたいこと
  • お客様の名前の読み方を、予約の内容で確かめたか
  • お祝いや記念日の予定があるかを、仲居と共有したか
  • 夕食の時間やお風呂の案内など、伝えることを決めたか
  • 自分の身だしなみや、着物の襟元が整っているか

季節や天気で、ひと言を変えてみる

毎日同じ挨拶だと、言う側も気持ちがこもりにくくなりますよね。季節や天気に触れるひと言を足すだけで、その日だけの挨拶になります。

季節・天気足したいひと言の例
春「庭の桜が見頃になりました。お散歩の際はぜひご覧ください」
夏「暑い中をようこそ。冷たいお茶をお部屋にご用意しております」
秋「夜は少し冷えてまいりました。羽織るものもお使いくださいね」
冬「お寒い中ありがとうございます。お部屋は暖めてございます」
雨の日「お足元の悪い中、ようこそお越しくださいました」

季節の言葉は、言い慣れた決まり文句より、宿の庭や窓から見える景色に結びつけると心に残ります。

「よく使うけれど、言い換えたい」言葉

挨拶の言葉には、つい口ぐせになってしまうものもあります。言い換えの例を知っておくと、場面に合わせて選べるようになりますよ。

よく使う言い方言い換えの例向いている場面
「すみません」「恐れ入ります」「失礼いたします」客室に入る時、お客様を呼び止める時
「わかりました」「かしこまりました」「承知いたしました」ご要望をうかがった時
「ちょっと待ってください」「少々お待ちいただけますか」確認に時間がかかる時
「またどうぞ」「またのお越しを心よりお待ちしております」お見送りの最後

お客様に合わせて、挨拶をどう変える?

同じ「ようこそ」でも、相手によって少し変えるだけで、伝わり方が変わります。お客様の顔ぶれを見て、ひと言を足してみましょう。

この見出しのポイント

挨拶の型はそのままで、お客様に合わせたひと言を最後に足すのがコツです。全部を作り直す必要はありません。

お客様の様子足したいひと言の例気をつけたいこと
小さなお子さま連れ「お子さま用の浴衣もご用意しております」子どもにも目線を合わせて声をかける
記念日のお客様「本日はおめでとうございます」お祝いの内容は予約で確かめてから触れる
おひとりのお客様「静かなお部屋をご用意しました」話しかけすぎず、ひとりの時間を大切にする
ご年配のお客様「段差がございますので、お足元にお気をつけください」歩く速さに合わせて案内する
海外からのお客様「Welcome」とひと言、笑顔で短い英語と身ぶりで伝える

海外からのお客様への言葉は、女将は英語で何という?で英語の例文と一緒に紹介しています。

お祝いのお客様への挨拶

記念日のお客様には、夕食時のご挨拶でお祝いを伝える宿もあります。

お祝いのひと言の例

「このたびは、おめでとうございます。ささやかですが、お祝いの一品をご用意いたしました。どうぞ楽しい時間をお過ごしください」

予約の時にお祝いだと聞いていても、ほかの同行者には内緒にしている場合があります。伺う前に、伝えてよいかを確かめておくと安心ですね。

団体のお客様・修学旅行の入館式と退館式の挨拶

修学旅行や研修などの団体のお客様では、宿側が「入館式」や「退館式」で挨拶をすることがあります。大勢の前で話すので、短く分かりやすくまとめるのがコツです。

この見出しのポイント

団体への挨拶は、歓迎、宿で過ごす時のお願い、締めのひと言の3つでまとめます。長くても、ゆっくり話して数分以内に収まる量が目安です。

入館式の挨拶の組み立て方
  1. 歓迎の言葉と、女将の名乗り
  2. 宿で過ごす時のお願い(館内の決まりや、お風呂の時間など)
  3. 困った時に声をかけてほしいこと
  4. 「楽しい思い出をつくってください」などの締めのひと言
入館式の挨拶の例

「皆さん、ようこそお越しくださいました。女将の〇〇です。今日から〇日間、皆さんにとってこの宿が我が家になります。分からないことがあれば、近くの係の者に遠慮なく声をかけてくださいね。楽しい思い出をたくさんつくってください」

退館式の挨拶の例

「皆さん、〇日間お泊まりいただきありがとうございました。廊下で元気に挨拶してくれたこと、私たちもとてもうれしかったです。帰り道もどうぞ気をつけて。またいつか、この町に遊びに来てくださいね」

退館式では、宿で見かけた良いところを1つ具体的に伝えると、子どもたちの心に残る挨拶になります。

研修や社員旅行など、大人の団体への挨拶

大人の団体の場合は、子ども向けより少し改まった言葉を選びます。幹事の方へのお礼を最初に入れると、場が和みやすくなります。

「本日は、数ある宿の中から当館をお選びいただき、ありがとうございます。幹事の皆さまには、事前のご準備をありがとうございました。今夜はどうぞ、日ごろの疲れを癒やしてくださいませ」

旅館の挨拶でよくある相談

ここでは、旅館の挨拶について多く寄せられている疑問を、要約して答えてみます。

女将が客室に挨拶に来るのは、好感?面倒?

「夕食時に女将が挨拶に来るのはうれしい?それとも面倒?」という相談は、とても多く見かけます。うれしいと感じる人もいれば、ゆっくり食べたいと感じる人もいるんですね。

結論から言うと、どちらの気持ちも自然なものです。だからこそ女将の挨拶は、短く切り上げることが何より大切になります。

よくある失敗

話が弾んだからといって、長く居座ってしまうことがあります。お客様が話を続けたそうでなければ、「どうぞごゆっくり」と添えて下がりましょう。

夕食時に女将が挨拶に来ない旅館は、おかしい?

「女将が挨拶に来ない旅館もあるけれど、それでいいの?」という相談もあります。

女将の挨拶は決まりではありません。宿の大きさや方針で、挨拶は仲居や支配人が担当したり、お出迎えだけにしたりする宿もあります。挨拶に来ないから、もてなしが足りないというわけではないんです。

仲居さんが黙って部屋に入ってくることがあるけど、普通?

「声をかけずに客室に入ってこられて驚いた」という相談も見かけます。お客様のくつろぐ時間を大切にするなら、戸の外で声をかけて、返事を待ってから入るのが基本です。

宿で働く側としては、ノックや「失礼いたします」のひと声を、全員で同じように行えるよう決めておくと安心ですね。

お客様の「お世話になります」には、どう返す?

「旅館に着いて『お世話になります』と言うのは変?」という相談もあります。お客様側の挨拶として、ごく自然な言葉です。

宿の側は、「こちらこそ、ようこそお越しくださいました」と受け止めて返せば十分です。お客様の言葉を否定せず、歓迎の気持ちで包むように返すと、やりとりがなめらかになります。

挨拶の仕事を、旅館で身につけてみたい時は

『女将の挨拶を読んで、旅館の接客をやってみたくなった』という方もいるかもしれません。仲居やフロントとして働くと、毎日の挨拶の中で言葉の選び方を身につけていけます。

旅館の仕事は、ハローワークや求人サイト、宿の公式サイトの募集のほか、宿泊業界の求人を扱う転職支援サービスに相談して探す方法もあります。

おもてなしHR(PR)

旅館・ホテルの仕事を探すなら、宿泊業界専門の転職支援に相談

おもてなしHRは、ホテル・旅館などの宿泊業界の求人専門の転職支援サービスです。専任のキャリアアドバイザーが、経験の有無や希望職種を問わず、書類作成や面接の日程調整、条件面の相談まで無料でサポートします。

無料おもてなしHRの公式サイトを見る

サービスの内容は公式サイトでご確認ください。

ホームページや客室に置く挨拶の文章は、旅館の女将の挨拶文で書き方と例文を紹介しています。

よくある質問

旅館の女将の挨拶では、何を伝えればいいですか?

歓迎・感謝・気遣いの3つを、場面に合わせて短く伝えれば十分です。最初に顔を合わせた時に、「女将の〇〇でございます」と名乗りを添えます。

女将の挨拶は、どの場面でするものですか?

お出迎え、客室でのご挨拶、夕食時、お見送り、再訪のお客様を迎える時の5つが主な場面です。どこまで女将が担当するかは宿によって違います。

夕食時の挨拶は、どのくらいの長さがいいですか?

ひと言ふた言で下がるのが基本です。お料理の感想をうかがい、翌朝の予定を確かめたら、「どうぞごゆっくり」と添えて下がりましょう。

旅館の挨拶で、季節の話題は入れたほうがいいですか?

入れなくても失礼にはなりませんが、季節や天気のひと言を足すと、その日だけの挨拶になります。宿の庭や窓の景色に結びつけると、お客様の印象に残りやすくなります。

修学旅行の退館式では、旅館側は何を話せばいいですか?

お礼の言葉、宿で見かけた良いところ、帰り道を気遣うひと言の3つでまとめると伝わりやすくなります。ゆっくり話して数分以内に収めるのが目安です。

まとめ

この記事の要点
  • 旅館の女将の挨拶は、歓迎・感謝・気遣いの3つを短く伝えれば十分
  • お出迎え、客室、夕食時、お見送り、再訪の5場面で、短い挨拶と少し長い挨拶を用意しておく
  • 案内文のような言い方より、話しかける言葉のほうが温かく伝わる
  • お客様の様子に合わせて、最後にひと言を足すと自然な挨拶になる
  • 団体への挨拶は、歓迎、お願い、締めの3つでまとめる
女将ガイド

女将ガイド 編集部

旅館の女将・若女将の仕事と役割、女将になるまでの道のり、着物や立ち居振る舞い、旅館のしきたりとおもてなし、旅館・料亭で働く方法までを、やさしく整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次