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旅館の案内やテレビで「大女将」という言葉を見て、『女将とどう違うの?もっと偉い人?』と気になった方も多いはずです。
結論から言うと、大女将は女将の役目を次の世代に譲った、先代の女将を指すのが一般的な使い方です。偉さの順というより、世代の呼び分けなんです。
この記事を読めば、大女将・女将・若女将の違いと、代替わりの後に大女将がどんな形で宿を支えているのかが分かります。
大女将とは?「先代の女将」を指す呼び名
大女将は「おおおかみ」と読み、一般に先代の女将を指します。辞書には独立した見出しがなく、「おかみ」の用例として「大お上」が載っている言葉です。
大女将とは何か、まず辞書から見てみましょう。実は、国語辞典には「大女将」という独立した見出しは見当たりません。
デジタル大辞泉の「御上(おかみ)」の項目に、旅館・料理屋・居酒屋などの女主人という意味があり、その用例として「大お上」「若お上」が挙がっています。
読み方は「おおおかみ」
「お」が3つ続くので、口に出すと少し言いにくいですよね。若女将を説明した辞書でも、読みは「おおおかみ」と添えられています。
| 呼び名 | 読み | 辞書での扱い |
|---|---|---|
| 女将 | おかみ | 「御上」の項に、旅館・料理屋などの女主人として載る |
| 若女将 | わかおかみ | 用例「若お上」。次の女将として学ぶ段階の人と説明する辞書がある |
| 大女将 | おおおかみ | 用例「大お上」。若女将と対比されることが多いと書かれている |
「大」は年齢ではなく世代の目印
「大」と付くと、年齢が上の人や、立場が一番上の人を思い浮かべるかもしれません。ただ、旅館での大女将は「先に女将を務めた人」という世代の目印として使われています。
例えば、先代から娘や息子の配偶者へ女将の役目が移ると、それまでの女将が大女将と呼ばれるようになる、という流れです。誰が継ぐかは家や宿ごとに違います。
女将・若女将・大女将はどう違う?
いま宿の女将として表に立つのが女将、次の女将として学んでいるのが若女将、役目を譲った先代が大女将です。3人がそろう宿もあれば、女将だけの宿もあります。
女将と若女将、そして大女将。名前が似ているので混乱しますよね。
ひと言で言うと、3つの呼び名は「いま女将を務めている人」を真ん中にして、前の世代と次の世代を呼び分けたものです。
- 女将は宿の女主人として、接客をまとめる
- 若女将は女将のもとで仕事を覚えている段階
- 若女将はやがて女将を継ぐことが多い
- 大女将は女将の役目をすでに譲った人
- 宿の顔は、代替わりの後は今の女将になる
- 大女将は表に出る量を減らし、後ろから支えることが多い
3人が同時にいるとは限らない
旅館に大女将・女将・若女将の3人がそろっているのは、家族で長く続いている宿の場合が多い形です。
代替わりが済んで若女将がいない宿や、女将を置かずに経営者や支配人が接客をまとめる宿もあります。呼び名は宿の方針と家族の形で変わる、と考えておくと分かりやすいですよ。
宿の人やお客様は、どう呼び分けている?
呼び名の違いが分かっても、『実際にどう声をかければいいの?』と迷う方もいますよね。宿の中での呼び方と、お客様からの呼び方の例をまとめてみました。
| 場面 | 大女将への言い方の例 | 女将への言い方の例 |
|---|---|---|
| 従業員が呼ぶ | 「大女将、〇〇様がお見えです」 | 「女将、お部屋のご用意ができました」 |
| お客様が声をかける | 「大女将さん、お久しぶりです」 | 「女将さん、今回もよろしくお願いします」 |
| お客様に紹介する | 「先代の女将で、いまは大女将を務めております」 | 「当館の女将の△△でございます」 |
| 手紙の差出人 | 「大女将 〇〇」 | 「女将 △△」 |
お客様の側は、呼び名を間違えても気にしすぎなくて大丈夫です。迷った時は「〇〇さん」とお名前で呼ぶのも自然ですよ。
「女将さんですか?」
「いえ、私は先代で、いまは大女将なんです。女将はのちほどご挨拶にまいります」
こんなやり取りになっても、宿の人は慣れているので心配いりません。
若女将との違いをもっと知りたい方へ
若女将がどんな仕事をしているかは、若女将とは?仕事内容と女将・大女将との関係でくわしく紹介しています。
3世代で比べる「決める・前に出る・支える」の役割分担
ここが一番イメージしにくいところかもしれません。3世代がいる宿で、誰が何を受け持つのかを「決める仕事」「お客様の前に出る場面」「裏方で支える仕事」の3つで比べてみました。
| 比べること | 大女将 | 女将 | 若女将 |
|---|---|---|---|
| 決める仕事 | 相談を受けて意見を伝える。最後に決めるのは今の女将や経営者 | 接客の方針、もてなしの段取り、仲居への指示を決める | 任された範囲の段取りを決め、女将に報告する |
| お客様の前に出る場面 | 長年のお客様へのご挨拶、節目の行事 | お出迎え・お見送り、客室へのご挨拶 | 女将と一緒にご挨拶に立ち、少しずつ受け持つ |
| 裏方で支える仕事 | しきたりや昔からのお客様のことを伝える | 仲居・調理場・帳場との調整、従業員の育成 | 帳場や配膳など、現場の仕事を一通り覚える |

これはあくまで一つの例です。宿の大きさや家族の人数によって、受け持ちは大きく変わります。
代替わりの途中で、経営や大事な判断を大女将がしばらく担う宿もあります。どこまでを任せるかは、家族と宿で話し合って決めていくものです。
例えばこんな場面で分かれる
常連のお客様が久しぶりに来られた夜を思い浮かべてみてください。
「大女将はお元気ですか?」と聞かれたら、女将が「おかげさまで元気にしております。のちほどご挨拶にうかがいます」と答えて、大女将が客室へ顔を出す。こんなふうに、昔からのつながりを大女将が受け持つことがあるんです。
一方、その日の献立の確認や仲居の配置は、今の女将が決めます。若女将は女将の横でやり方を見て覚えていく、という分け方です。
大女将になった後はどんな役割?引退後の過ごし方
大女将になった後の関わり方は、宿に毎日立つ人から、行事の時だけ顔を出す人までさまざまです。共通しているのは、今の女将を前に立てて後ろから支える姿勢です。
『女将を譲ったら、もう宿には出ないの?』と気になりますよね。実は、ここは家や宿によって本当に違います。
よく見られる大女将の関わり方
- 長年のお客様へのご挨拶やお便り
- 季節の行事やしつらえの相談役
- 若い従業員に、宿のしきたりを伝える
- 地域や同業の集まりでのお付き合い
- 忙しい日の手伝いや、女将が不在の日の代わり
どれも「今の女将の仕事を取り上げない」ことが前提です。大女将が前に出すぎると、お客様や従業員がどちらに聞けばいいか迷ってしまうこともあります。
代替わりの流れの一例
- 若女将が女将の横で接客と段取りを覚える
- 一部の仕事を若女将に任せ、女将は見守る
- 家族と宿で、代替わりの時期を話し合う
- 常連のお客様や取引先に、新しい女将を紹介する
- 先代は大女将として、後ろから支える役に移る

どの段階にどれくらいの時間をかけるかは、宿によってまったく違います。若女将が早くから多くを任される宿もあれば、長く女将の横で学ぶ宿もあります。
代替わりのお知らせは、お便りなどで伝える宿もあります。例えばこんな書き出しです。
このたび、長らく女将を務めてまいりました〇〇が大女将となり、△△が女将を引き継ぐこととなりました。今後とも変わらぬお引き立てをお願い申し上げます。
若女将や女将の立場から、大女将に相談する時の言い方
家業を継ぐ立場になると、『先代にどこまで頼っていいんだろう』と悩むこともありますよね。大女将の経験は、宿にとって大きな財産です。
遠慮しすぎず、聞きたいことを具体的にして相談すると、お互いに気持ちよく話せます。
| 相談したいこと | 言い方の例 |
|---|---|
| 昔からのお客様のこと | 「〇〇様は、以前どんなお部屋をお好みでしたか?」 |
| 季節の行事やしつらえ | 「この時期の玄関の花、これまではどうしていましたか?」 |
| 任せてほしいこと | 「この件は私に任せていただけますか。困ったらまた相談します」 |
| 手伝ってほしいこと | 「今週末は団体のお客様が重なるので、お見送りをお願いできますか?」 |
「任せてほしい」と「手伝ってほしい」を分けて伝えるのがコツです。言葉にしておくと、大女将の側も動きやすくなります。
代替わりの進め方や、女将を譲る時の考え方は女将の交代と代替わりにまとめています。
代替わりの後も、大女将がこれまでどおり従業員に指示を出してしまうケースです。悪気はなくても、今の女将の立場が分かりにくくなります。任せることと手伝うことを、家族で先に言葉にしておくと安心です。
大女将・女将・若女将の関係でよくある相談
Yahoo!知恵袋には、大女将や若女将について気になることがいくつも寄せられています。閲覧の多い相談から3つを選んで、要点をまとめてお答えしますね。
ドラマでは大女将と若女将が家族だったり、仲が悪く描かれたりするけれど、実際はどうなのか知りたい、という相談です。
家族で営む旅館では、家族の中で女将の役目が受け継がれることがよくあります。ただ、誰が継ぐかは家や宿ごとに違い、家族以外の人が女将になる宿もあります。
仲が悪いというのは物語の演出で、実際の関係は宿ごとにさまざまです。世代が違えばやり方の違いは出ますが、話し合いながら宿を続けている家も多いですよ。
若女将と呼ばれるのは何歳くらいまでなのか、という相談です。
結論から言うと、年齢で決まっているわけではありません。辞書でも、若女将は「相対的に若く、多くの場合は次期の女将として研鑽を積んでいる段階の者」と説明されています。
つまり、女将を継ぐまでは若女将、継いだら女将、譲ったら大女将。年齢より「どの段階にいるか」で呼び名が変わると考えるとすっきりします。
女将(おかみ)と大女将(おおおかみ)をローマ字で書くと見分けがつくのか、という相談です。
ローマ字では「o」の数が違うだけになるので、長い音の書き方によっては見分けにくくなります。外国人のお客様に説明する時は、ローマ字だけに頼らず「先代の女将」と言葉で添えるのが親切です。
英語での伝え方は女将は英語で何という?で例文つきで紹介しています。
旅館の仕事に興味が出てきたら
大女将・女将・若女将と、宿の中で役目が受け継がれていく様子を知ると、旅館の仕事そのものに興味がわいてきた方もいるかもしれません。女将の仕事に興味が出て、まず旅館で働いてみたくなった時は、宿泊業界の仕事を探せる相談先を使う方法もあります。
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よくある質問
大女将とはどういう意味ですか?
一般に、女将の役目を次の世代に譲った先代の女将を指します。辞書には独立した見出しがなく、「おかみ」の用例として「大お上」が載っています。
大女将は女将より立場が上ですか?
偉さの順ではなく、世代の呼び分けと考えると分かりやすいです。代替わりの後は今の女将が宿の顔になり、大女将は後ろから支えることが多いです。
女将と若女将の違いは何ですか?
女将はいま宿の女主人として接客をまとめる人、若女将は次の女将として女将のもとで仕事を覚えている段階の人です。
大女将に声をかける時は何と呼べばいいですか?
「大女将さん」と呼ぶのが一般的です。迷った時はお名前で「〇〇さん」と呼んでもかまいません。
どの旅館にも大女将がいるのですか?
いいえ、いない宿も多くあります。代替わりの時期や家族の形、宿の方針によって、女将だけの宿や女将を置かない宿もあります。
まとめ
- 大女将は「おおおかみ」と読み、一般に先代の女将を指す
- 辞書では「おかみ」の用例に「大お上」「若お上」が載る
- 大女将・女将・若女将は、偉さではなく世代の呼び分け
- 大女将は今の女将を前に立て、昔からのお客様やしきたりを支えることが多い
- 受け持ちは宿の規模と家族の形で変わるので、宿ごとに話し合って決めるもの





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