旅館の大浴場・温泉の入り方|女将が伝えたい入浴のマナー

旅館の温泉の入り方を紹介する記事のアイキャッチ。大浴場の入口の暖簾とタオル、湯桶

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久しぶりの温泉旅館。『タオルはどこまで持っていくの』『先に洗うの、先に浸かるの』と、脱衣所の前で迷った経験はありませんか。

結論から言うと、温泉の入り方は「汚れを落としてから湯船へ」「共有の物は元どおりに」「宿の案内に合わせる」の3つで十分です。

この記事を読めば、入る前から上がった後までの流れと、宿ごとに違うルールの確かめ方が分かります。

目次

温泉の入り方は「お湯をみんなで分け合う」と考えるとかんたん

先に結論

大浴場は、ほかのお客様と同じお湯を使う場所です。お湯をきれいに保つことと、次に使う人が気持ちよく使えることの2つを意識すれば、細かい作法を知らなくても困りません。

温泉のマナーと聞くと、たくさんの決まりがあるように感じますよね。実は、ほとんどの作法はこの2つから出てきたものなんです。

例えば「タオルを湯船に入れない」は、お湯をきれいに保つため。「桶や椅子を元に戻す」は、次の人のためです。

大浴場で迷う場面は、だいたい決まっている

初めての大浴場で迷うのは、次のような場面が多いようです。

迷う場面心の声考え方のヒント
脱衣所『服はどこに置くの?』棚のかごかロッカーを使う。貴重品は客室の金庫や帳場へ
浴室に入る時『タオルは何枚持っていく?』小さいタオル1枚を持って入るのが一般的
洗い場『洗うのが先?浸かるのが先?』まず汚れを落としてから湯船へ
湯船『タオルはどこに置けばいい?』お湯に入れず、頭の上か湯船の外へ
上がる時『脱衣所が濡れてしまう』浴室の出口で体をふいてから戻る
大浴場での入浴を、入る前・洗い場・湯船・上がった後の4段階に分けたチェックの図解

「旅館の大浴場」と「日帰りの温泉施設」は少し違う

旅館の大浴場は、泊まっているお客様が中心に使う場所です。夜遅くや朝早くも入れる宿がある一方で、清掃の時間は入れないこともあります。

入れる時間や男女の入れ替えは宿ごとに決まっているので、到着した時に案内を見ておくと安心ですよ。

入る前・洗い場・湯船・上がった後の4段階チェック

先に結論

入浴の流れを4つの段階に分けておくと、どこで何をすればいいかが分かりやすくなります。全部を覚えなくても、段階ごとに1つか2つ気をつければ十分です。

ここからは、脱衣所に入ってから客室に戻るまでの流れを順番に見ていきます。『こんなこと聞いたら恥ずかしいかな』と思う所ほど、実はみんな迷っているんです。

1. 入る前(客室から脱衣所まで)

入る前に確かめたいこと
  • 大浴場に入れる時間と、男女の入れ替えの有無を見ておく
  • 客室から持っていく物(タオル・着替え・鍵)をまとめる
  • 貴重品は客室の金庫か帳場に預ける
  • 混み合う時間を避けたいなら、帳場で空いている時間を聞いておく

旅館では、客室に大小のタオルが用意されていることが多いですよね。浴衣のまま大浴場へ行ける宿がほとんどなので、着替えの浴衣と下着を持って向かいましょう。

浴衣の着方や館内での過ごし方は旅館の浴衣の着方で紹介しています。

2. 洗い場

脱衣所で服を脱いだら、小さいタオルを持って浴室へ入ります。大きいタオルは脱衣所に置いておきましょう。

洗い場で気をつけたいこと
  • 湯船に入る前に、かけ湯で体の汚れを流す
  • 洗い場では座って体を洗い、周りにお湯が飛ばないようにする
  • シャワーの向きに気をつけ、隣の人にかからないようにする
  • 使った椅子と桶は軽く流して、元の場所に戻す
使った後に湯桶と椅子が元の場所へ戻された大浴場の洗い場のイメージ写真

洗い場の鏡の前に、桶と椅子がそろって戻っていると、次に来た方もすぐ座れますよね。シャンプーのふたを閉めておくような小さなことも、意外と見られているものです。

『先に浸かって温まってから洗う人もいるけど、それはダメ?』と思った方もいるかもしれません。かけ湯で汚れを流しておけば、洗うのは湯船の後でもかまわないと考える人もいます。

ただ、宿によっては「体を洗ってからお入りください」と案内していることも。迷ったら、浴室の掲示に合わせておくのが安心です。

3. 湯船

湯船で気をつけたいこと
  • タオルは湯船に入れず、頭の上に乗せるか湯船の外に置く
  • 長い髪はまとめて、お湯につからないようにする
  • 湯船の中で体をこすったり、泳いだりしない
  • 混んでいる時は、ゆずり合って入る

湯船の縁に座って話し込むと、ほかの方が入りにくくなることも。混んでいる時は、少し声を落としておくと周りも落ち着いて過ごせます。

4. 上がった後

上がった後にしたいこと
  • 浴室の出口で、体の水気を軽くふいてから脱衣所へ戻る
  • 洗面台の水はねや抜け毛を、さっとふいておく
  • 使ったかごやドライヤーを元の場所に戻す
  • 忘れ物がないか、ロッカーと洗面台を見てから出る

脱衣所の床が濡れていると、次の人が足をすべらせてしまうこともあります。出口で一度ふくだけで、ずいぶん違いますよ。

タオル・貸切風呂・時間帯、宿ごとに違うルールの確かめ方

先に結論

温泉のマナーには、どこでも共通のものと、宿ごとに違うものがあります。違うものは「案内を見る」「帳場に聞く」で確かめれば十分です。

『この宿ではどうなんだろう』と迷うのは、ルールが宿ごとに違う所ですよね。よく違いが出る項目と、確かめ方を表にしました。

項目宿によって違うこと確かめ方
タオル客室から持参か、大浴場に置いてあるか客室の案内書を見る
入れる時間夜と朝の入浴時間、清掃の時間チェックインの時に聞く
男女の入れ替え夜と朝で浴場が入れ替わるか大浴場の入口の札を見る
貸切風呂予約が要るか、空いていれば入れるか帳場に電話で聞く
客室の露天風呂使える時間、お湯の入れ方客室に案内された時に聞く
子どもの入浴何歳まで異性の浴場に入れるか予約の時に聞いておく
スキンケアや髪の手入れ洗面台をどう使ってよいか脱衣所の掲示を見る
宿ごとに違う大浴場のルールと、案内書・入口の札・帳場で確かめる方法をまとめた図解

貸切風呂を使う時に気をつけたいこと

貸切風呂は、家族や二人で気兼ねなく入れるのがうれしいところです。その分、予約の時間を守ることがいちばん大事になります。

よくある失敗

時間ぎりぎりまで入っていて、次の予約の方を待たせてしまうことがあります。着替えの時間も考えて、少し早めに上がるつもりで入ると安心です。

帳場への聞き方の例

聞きたいことがあれば、帳場に電話するのがいちばん早いです。例えばこんな言い方で大丈夫ですよ。

聞きたいこと聞き方の例
大浴場の時間「大浴場は、夜は何時まで入れますか」
タオルのこと「大浴場にタオルは置いてありますか。持っていったほうがいいですか」
貸切風呂の予約「貸切風呂を使いたいのですが、今から予約できますか」
子どもの入浴「小さい子がいるのですが、どちらのお風呂に入ればいいですか」

「すみません、大浴場って朝は何時から入れますか」
「朝は早い時間から入れます。時間はお部屋の案内にも書いてありますよ」

こんな短いやり取りで十分なんです。

女将や仲居から見た「うれしい入り方」

先に結論

宿の人が大浴場で気にかけているのは、作法の細かさより「次の方が気持ちよく使えるか」です。使った物を戻すだけでも、宿の人にはしっかり伝わっています。

これは観点を少し変えた話です。大浴場の入り方を、迎える宿の側から見てみましょう。

旅館の大浴場は、営業時間の合間に清掃をして、タオルやアメニティを補充しながら保たれています。日本旅館協会の会員になる基準にも、浴室と脱衣室を個別か男女別にすることが書かれています。

宿の人がほっとするお客様のふるまい

ふるまい宿の人から見ると
桶と椅子を元の場所に戻してある次のお客様をすぐ迎えられる
脱衣所の床が濡れていないすべる心配が減る
時間外に入ろうとしない清掃や点検を予定どおり進められる
分からない時に帳場へ聞いてくれる案内のしかたを見直すきっかけになる
忘れ物がない持ち主を探す手間がかからない

案内を「伝える」のも女将の仕事

大浴場の案内書や入口の札は、宿の人がお客様に伝えたいことをまとめたものです。女将や仲居は、客室への案内の時に入浴時間を口で添えることもあります。

『そんなに丁寧に説明されると、守らなきゃって緊張する』と感じる方もいるかもしれません。実は、宿の人は「知らなかった」を減らしたいだけなんです。

お客様をどう迎え、どう伝えるかは女将のおもてなしでも紹介しています。

温泉の入り方でよくある相談

先に結論

迷いやすいのは、タオルの扱い、洗う順番、メガネや髪の扱い、大浴場が苦手な時の過ごし方です。どれも宿の案内に合わせつつ、周りに気を配れば大丈夫です。

Yahoo!知恵袋に寄せられた温泉の入り方の相談から、閲覧の多いものを3つ選んで、要点をまとめてお答えします。

相談1:温泉の入り方も持ち物も分からない。タオルは持っていく?

修学旅行以外で温泉に入ったことがなく、何を持って行けばいいか、タオルは巻くのか裸なのか分からない、という相談です。

旅館なら、客室のタオルと着替えの浴衣、下着を持っていけば足ります。浴室には小さいタオルだけを持って入り、大きいタオルは脱衣所に置いておきましょう。

湯船にタオルを巻いて入るのは、多くの大浴場で控えるよう案内されています。洗い場から湯船へ移る時は、小さいタオルで前を軽く隠して歩く方が多いですよ。

相談2:大浴場が苦手。人目が気になって入れない

大浴場に入るのが苦手で、いつも避けてしまう。旅行先で入ってみたいけれど、どうすればいいか、という相談です。

人の多い所で入浴するのが落ち着かないのは、自然な気持ちですよね。そんな時は、混みにくい時間を帳場で聞いてみてください。

貸切風呂や客室の露天風呂がある宿を選ぶのも方法のひとつです。予約の前に「貸切で入れるお風呂はありますか」と聞いておくと安心ですよ。

相談3:メガネをかけたまま入ってもいい?

目が悪くて、メガネを外すと足元がよく見えない。大浴場でメガネをかけたまま入るのはおかしいか、という相談です。

洗い場や湯船までの移動にメガネをかけている方もいます。大事なのは、すべったりぶつかったりしないことです。

メガネを湯船の縁に置く時は、ほかの方が踏まない場所を選びましょう。心配なら、入る前に帳場で「メガネをかけて入っても大丈夫ですか」と聞いてみてください。

旅館の仕事に興味を持った方へ

大浴場の清掃や案内も、旅館の大切な仕事のひとつです。女将の仕事に興味が出て、まず旅館で働いてみたくなった時は、宿泊業界の仕事を探せる相談先を使う方法もあります。

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旅館で気持ちよく過ごす作法全体は旅館のマナーで、女将の役割については女将とはで紹介しています。

よくある質問

温泉は体を洗ってから入るのと、浸かってから洗うのとどちらがいいですか?

湯船に入る前に、かけ湯で汚れを流しておくのが基本です。洗う順番は人によって違いますが、浴室に「体を洗ってから」と掲示がある宿ではそれに合わせましょう。

大浴場にタオルを巻いて入ってもいいですか?

湯船にタオルを入れないよう案内している大浴場が多いです。洗い場での移動は小さいタオルで前を隠し、湯船では頭の上か湯船の外に置いておきましょう。

旅館の大浴場には何を持っていけばいいですか?

客室のタオルと着替えの浴衣、下着があれば足ります。シャンプーなどは大浴場に置いてある宿が多いので、客室の案内書で確かめておくと安心です。

小さな子どもと一緒に大浴場に入る時に気をつけることは?

湯船で泳いだり走ったりしないよう、そばで見守りましょう。異性の浴場に何歳まで入れるかは宿ごとに違うので、予約の時か到着した時に聞いておくと安心です。

大浴場の洗面台でスキンケアをしてもいいですか?

洗面台の使い方は宿ごとに違います。混んでいる時は長く使わず、脱衣所の掲示があればそれに合わせましょう。水はねをふいておくと次の方も気持ちよく使えます。

まとめ

この記事の要点
  • 温泉の入り方は「汚れを落としてから湯船へ」「共有の物は元どおりに」「宿の案内に合わせる」の3つが軸
  • 入る前・洗い場・湯船・上がった後の4段階で考えると迷いにくい
  • タオル・入浴時間・貸切風呂・子どもの入浴は宿ごとに違うので、案内書か帳場で確かめる
  • 大浴場が苦手なら、混みにくい時間や貸切風呂を宿に聞いてみる
女将ガイド

女将ガイド 編集部

旅館の女将・若女将の仕事と役割、女将になるまでの道のり、着物や立ち居振る舞い、旅館のしきたりとおもてなし、旅館・料亭で働く方法までを、やさしく整理している情報サイトです。 公式サイト

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